こんな悩みありませんか?
筋力低下の原因が神経由来なのか筋由来なのか、評価の段階で迷ってしまう。
解剖書を開いても情報量が多すぎて、臨床中に必要な部分をすぐに確認できない。
そんな経験は、理学療法士・作業療法士であれば誰しも一度はあるのではないでしょうか。
本書は、まさにその「臨床中の困りごと」に正面から応えてくれるコンパクトアトラスです。
書籍の基本情報
書名:神経と筋の解剖・評価コンパクトアトラス
著者:宮武 和馬
出版社:文光堂
発行年:2025年
判型・ページ数:A5判・112ページ
定価:4,400円(税込)
ISBN:978-4-8306-2779-8
電子版:あり(医書.jp等で配信)
シリーズ名:なし(単独書籍)
書籍の概要と特徴
本書は、神経と筋の解剖を「評価にどう結びつけるか」という臨床視点で再構成したアトラスです。
一般的な解剖書は網羅性が高い一方、臨床での即時性には欠けることがあります。
本書ではその点を割り切り、触診・徒手筋力テスト・伸張性評価といった理学療法・作業療法の現場で頻用される評価に直結する情報のみを厳選しています。
イラストは非常にシンプルで視認性が高く、筋の走行や神経支配を一目で把握できます。
また、評価肢位や手の当て方が写真で示されているため、「この筋をどう評価するのか」が迷いなく理解できる構成になっています。
さらに、QRコードを用いた神経の超音波画像解説など、近年の臨床トレンドを取り入れている点も特徴です。
目次と各章の内容
第1章 上肢の筋群
上肢の主要筋について、解剖イラストとともに触診ポイント、筋力評価肢位が整理されています
単なる筋名の羅列ではなく、「どこを触れて、どの動きを見ればよいか」が明確に示されているため、学生指導や若手セラピストの自己学習にも適しています。
肩関節周囲筋や前腕筋群など、臨床で評価頻度の高い部位が特に分かりやすくまとめられています。
第2章 下肢の筋群
歩行や立ち上がり動作に直結する下肢筋群を中心に構成されています。
股関節周囲筋や下腿筋の評価では、代償動作の注意点も含めて解説されており、「評価しているつもりで実は別の筋を見ていた」というミスを防ぐ助けになります。
臨床経験が浅いセラピストほど恩恵を感じやすい章です。
第3章 神経
末梢神経の走行、支配筋、デルマトームがコンパクトに整理されています。
筋力低下や感覚障害が出現した際に、「この症状はどの神経レベルと関連するのか」を即座に確認できる構成です。
加えて、超音波画像を用いた神経の視覚的理解が可能で、神経モビライゼーションや疼痛評価を行う際の理解を深めてくれます。
付録
徒手筋力テストの基本や、神経評価の補足情報がまとめられています。臨床での「確認用資料」として非常に実用的です。
読んで得られること
本書を読むことで、神経と筋の関係を「評価」という実践レベルで理解できるようになります。
評価に迷ったときに素早く確認できるため、臨床判断のスピードと精度が向上します。
また、学生や新人指導の際に共通言語として使いやすく、教育ツールとしても活用できます。
どんな人におすすめか
- 臨床で解剖と評価を結びつけるのが苦手な理学療法士・作業療法士
- 学生指導や新人教育を担当している中堅以上のセラピスト
- 神経由来か筋由来かの鑑別を強化したい臨床家
- 分厚い解剖書は持っているが、日常臨床では使いづらいと感じている人
実際に読んだ感想・臨床での活かし方
本書を手に取ってまず感じるのは、「必要な情報だけがある」という安心感です。
評価中に本棚へ戻り、分厚い解剖書を開く必要がありません。
特に神経症状を伴う症例では、筋力評価と神経走行を同時に確認できる点が非常に有用でした。
また、学生や後輩に説明する際にも、「このページを見てみよう」と提示するだけで理解が進むため、指導の効率が上がります。
臨床の合間にパラパラと確認する使い方が最も適しており、白衣のポケットやデスク横に常備しておきたい一冊だと感じました。
まとめ
神経と筋の解剖・評価コンパクトアトラスは、臨床現場で本当に必要な情報を、最小限かつ最大限に活用できる形でまとめた実践的アトラスです。
解剖知識を「知っている」で終わらせず、「評価に使える」レベルへ引き上げたい理学療法士・作業療法士にとって、非常に心強い一冊と言えるでしょう。


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