この本を手に取った理由
首の痛みは、外来・訪問・デイケアなど、あらゆるリハビリ現場で日常的に遭遇する症状です。
画像所見に異常が乏しいにもかかわらず痛みが強いケース、マッサージや牽引では改善しないケースに直面し、「結局どこをどう評価し、どう介入すればいいのか」と悩んだ経験のある理学療法士・作業療法士は少なくないはずです。
本書は、そうした臨床の迷いに対して「評価→解釈→運動」という一貫した軸を提示してくれる一冊です。
書籍の基本情報
書名:園部式首の痛み改善メソッド
著者:園部 俊晴
出版社:運動と医学の出版社
発行年:2024年
定価:1,760円(税込)
ISBN:978-4-904862-67-4
判型・ページ数:A5判・約110ページ
シリーズ名:園部式改善メソッド
電子版:あり(ダウンロード版対応)
書籍の概要と特徴
園部式首の痛み改善メソッドは、首の痛みを「その場の症状」ではなく「運動と姿勢の結果」として捉えることを軸に構成されています。
特徴的なのは、徒手的なテクニックや経験則に頼るのではなく、誰でも再現できる評価視点とシンプルな運動介入に絞って解説されている点です。
首そのものだけでなく、胸郭・肩甲帯・体幹との関連を整理しながら、なぜ首に痛みが集中するのかを論理的に理解できる構成になっています。
目次と各章の内容
はじめに
首の痛みがなぜ慢性化しやすいのか、従来の対処法が機能しにくい理由を整理し、本書の全体像と考え方の前提が示されています。
首痛を「結果」として捉える視点がここで明確になります。
第1章 首の痛みをどう考えるか
首の構造・機能を整理しながら、局所原因論に陥らないための考え方が解説されています。
評価の出発点として、痛みの出現動作や姿勢との関連をどう見るかがポイントです。
第2章 園部式評価の基本
視診・動作観察・簡易テストを用いた評価プロセスが具体的に紹介されています。
特別な機器を使わず、臨床ですぐ実践できる点が特徴です。
第3章 首に負担をかける要因
胸郭の硬さ、肩甲帯の位置、体幹の安定性など、首以外の要因がどのように首痛に影響するかを整理しています。
原因の見落としを防ぐ章です。
第4章 改善のための基本運動
評価結果に基づいた基本エクササイズが紹介されています。
難しい運動はなく、患者指導にも使いやすい内容です。
第5章 症状別アプローチ
可動域制限型、動作時痛型、姿勢関連型など、臨床でよく遭遇するタイプ別に考え方と運動の組み立て方が示されています。
第6章 セルフケアと生活指導
施術室外での姿勢・動作・セルフエクササイズについて解説されています。
再発予防の視点が強調されています。
おわりに
首の痛みを改善するために、セラピストが持つべき視点と姿勢がまとめられています。
読んで得られること
本書を読むことで、首の痛みを「とりあえずほぐす」「牽引する」といった場当たり的対応から脱却できます。
評価の優先順位が明確になり、なぜその運動を選択するのかを説明できるようになります。
また、患者さん自身が理解しやすい言葉でセルフケアを指導できるようになる点も大きなメリットです。
どんな人におすすめか
- 首の痛みに対する介入がマンネリ化している理学療法士・作業療法士
- 評価と治療のつながりに自信を持ちたい若手セラピスト
- 徒手療法中心から運動療法中心へシフトしたい方
- 患者指導・セルフケアを強化したい臨床家
実際に読んだ感想・臨床での活かし方
印象的なのは、「首を治すために首だけを見ない」という姿勢が全編を通して一貫している点です。
評価項目は決して多くありませんが、その分、臨床で迷いにくく再現性があります。
実際の現場では、首痛を訴える患者に対して胸郭の動きや体幹の使い方を評価するきっかけになり、説明の質も大きく変わりました。
短時間介入でも「なぜ楽になったのか」を共有できるため、患者の納得感が高まると感じています。
まとめ
園部式首の痛み改善メソッドは、首の痛みに対する評価と運動療法を整理し直したいセラピストにとって、非常に実用性の高い一冊です。
専門書でありながら読みやすく、明日からの臨床にそのまま落とし込める内容が詰まっています。
首痛対応に迷いを感じている方は、一度手に取ってみる価値のある書籍です。


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