膝の痛みを「脂肪体」から考える一冊園部俊晴の臨床『膝関節』が臨床思考を変える理由

リハビリ書籍

こんな悩みありませんか?

膝関節の痛みを前にして、「とりあえず内反を修正しよう」「アライメントを整えれば良くなるはず」と考えていませんか。

しかし実際には、内反をいくら修正しても痛みが変わらない症例や、運動療法を頑張るほど違和感が増す患者さんも少なくありません。

その背景にあるのが、「何が痛みを出しているのか」を組織レベルで捉えきれていないことです。

本書は、そうした臨床の行き詰まりに対して、非常に具体的な視点を与えてくれます。


書籍の基本情報

書名:園部俊晴の臨床『膝関節』

著者:園部俊晴

出版社:運動と医学の出版社

発行年:2021年

判型:B5変形

ページ数:約350ページ

定価:7,260円(税込)

ISBN:978-4-904862-47-6

電子版:あり


書籍の概要と特徴

本書は、膝関節の痛みを「疾患名」や「画像所見」ではなく、
どの組織が、どの動きで、なぜ痛みを出しているのか
という臨床推論の視点から徹底的に解説した一冊です。

特徴的なのは、「評価 → 仮説 → 介入 → 再評価」という流れが、すべて実際の臨床場面を想定して書かれている点です。

単なる知識書ではなく、「その場でどう考えるか」「なぜその評価が必要なのか」が言語化されています。


目次と各章の内容

序章

臨床における仮説検証の重要性

膝関節の痛みを“結果”として見るのではなく、“原因から逆算する”思考法を提示。

理学療法士に必要な臨床推論の土台が語られます。

第1章

膝関節の機能解剖とバイオメカニクス

関節運動・回旋・荷重の関係を整理し、「なぜその動きが痛みにつながるのか」を理解できる構成です。

第2章

評価の進め方と仮説立案

触診・動作観察・徒手評価をどの順番で行い、どう仮説を組み立てるかを具体例とともに解説しています。

第3章

膝前面痛と関連組織の評価

膝蓋下脂肪体を含む膝前面組織に焦点を当て、痛みが出現するメカニズムを詳細に説明しています。

第4章以降

各組織別の評価と治療

半月板、靱帯、筋・腱、脂肪体など、組織ごとに評価ポイントと介入の考え方が整理されています。


読んで得られること

  • 膝蓋下脂肪体がなぜ痛みの原因になりやすいのか
  • アライメント異常を「形」ではなく「運動」で捉える視点
  • 内反という結果よりも、外旋という原因に注目する思考
  • 評価と治療が一本の線でつながる臨床推論力

どんな人におすすめか

  • 膝前面痛の評価に迷うことが多い理学療法士
  • アライメント修正がうまくいかない症例を抱えている方
  • 「なぜ効かないのか」を説明できるようになりたい方
  • 新人指導や教育に論理的な説明を求められる立場の方

実際に読んだ感想・臨床での活かし方

本書を読んで印象的だったのは、
「内反を直すのではなく、外旋を直すことが重要」
という考え方です。

膝前面痛や膝蓋下脂肪体由来の痛みを持つ症例に対し、
これまで「内反=悪」としてアライメント修正を試みていました。

しかし本書を通して、問題は静的な内反ではなく、
荷重下で生じる下腿の外旋運動 にあることが腑に落ちました。

実際に、立脚期での外旋コントロールや、股関節・足部との連動を意識した介入に切り替えることで、
膝蓋下脂肪体の圧迫感や運動時痛が軽減する症例を経験しました。

「どこを修正するか」ではなく、
何が起きているか」を見抜く重要性を、臨床で実感できた一冊です。


まとめ

園部俊晴の臨床『膝関節』は、
膝の痛みを“アライメントの問題”として片づけてしまいがちな臨床に、
組織と運動から考える視点 を与えてくれる書籍です。

膝蓋下脂肪体という見落とされやすい組織に注目し、
内反ではなく外旋に目を向ける。

その発想転換こそが、臨床を一段深いものにしてくれます。

膝関節に悩むすべての理学療法士・作業療法士に、ぜひ一度手に取ってほしい一冊です。

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