健康寿命って知っていますか?
「健康寿命」という言葉を耳にする機会が増えました。
平均寿命とは違い、自立して生活できる期間を指すのが健康寿命です。
日本は世界でも長寿国ですが、その一方で、介護や病気で思うように動けない「不健康な期間」が10年以上続くことも少なくありません。
理学療法士として臨床に携わる中で、私は「歳を重ねても自分の足で歩き、笑顔で生活できる期間」をどう伸ばすかが、これからの時代において最も重要なテーマだと感じています。
そんな中で出会った一冊が、『リハビリの先生が教える 健康寿命が10年延びるからだのつくり方』です。
健康寿命を伸ばすには「体づくり」が欠かせない理由
本書では、「病気にならない」「寝たきりにならない」ための鍵は、筋肉・関節・神経を正しく使うことにあると解説されています。
リハビリの現場では、転倒や腰痛、膝痛などがきっかけで活動量が減り、結果的に体力が落ち、認知機能まで低下していくケースがよく見られます。
著者は「体を動かす力」こそが、健康寿命を支える最も基本的な生命力だと語ります。
つまり、予防こそ最大のリハビリなのです。
運動といっても、激しい筋トレやランニングではありません。
本書で紹介されているのは、関節の可動域を保つストレッチや、姿勢を整えるエクササイズ、そして日常動作に直結した“使える筋肉”を育てる方法。
理学療法士の視点で書かれているため、「どの筋肉を意識すべきか」や「間違いやすいフォーム」まで具体的に示されているのが特徴です。
父との会話が教えてくれた「健康でいる意味」
私自身、この本を父にプレゼントしました。
先日、一緒にお酒を飲んでいた時、父がふとこんなことを言いました。
「もしも病気で身体が不自由になったら、お前には頼りたくない。すぐに施設に入れてくれ。」
父なりに「迷惑をかけたくない」という思いから出た言葉でしょう。
でも、息子としてはやはり元気で長生きしてほしい。
孫の成長を見届けてほしい。
そのために必要なのは、「治療」ではなく「予防」だと改めて感じました。
この本を読んで、今のうちから体づくりをしておくことが、未来の自由を守る行為だということに気づかされました。
父も本を読んだ後、
「これなら自分にもできそうだ」
と言って、朝の散歩に少しずつストレッチを取り入れるようになりました。
その姿を見て、プレゼントして本当に良かったと思っています。
書籍の内容と構成を簡単に紹介
本書の目次を見てみると、次のようなテーマが並んでいます。
- 第1章 健康寿命とは何か?
- 第2章 老化のサインは「動き」に現れる
- 第3章 姿勢を整えるだけで10歳若返る
- 第4章 毎日3分でできるからだのメンテナンス
- 第5章 食事・睡眠・ストレスケアの実践法
- 第6章 リハビリ専門家が伝える「続けるコツ」
構成は非常にわかりやすく、専門的すぎない言葉で書かれているため、一般の方にも読みやすい内容になっています。
写真やイラストも豊富で、動きのポイントが視覚的に理解できるのも魅力です。
なぜ今、この本が必要なのか
私たちは
「いつまでも健康でいたい」
と願いますが、実際には体の変化を実感し始めてから動き出す人が多いのが現状です。
しかし、本書が教えてくれるのは、「衰えてから動く」のではなく、「衰えない体をつくる」考え方です。
理学療法士としての臨床経験から見ても、運動習慣がある人は明らかに回復力が高く、介護リスクも低いことがわかっています。
つまり、「今から始めること」が最も大切なのです。
この本は、そんな一歩を踏み出すきっかけになります。
家族や大切な人にプレゼントするのにも最適な一冊です。
健康で長く、自分らしく生きるために、ぜひ一度手に取ってみてください。
まとめ
『健康寿命が10年延びるからだのつくり方』は、単なる健康本ではなく、「人生をどう生きたいか」を見つめ直すきっかけをくれる本です。
リハビリ専門職の立場から見ても、科学的根拠と実践性のバランスが取れた、信頼できる内容だと感じます。
今、家族のため、自分の未来のために始められる「からだの投資」。
それが、健康寿命を10年延ばす第一歩なのかもしれません。


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