リハビリ書籍

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「なぜこの痛みが起きるのか?」を解剖で読み解く ― 工藤慎太郎『運動器疾患の「なぜ?」がわかる臨床解剖学 第2版』レビュー

臨床で筋骨格系の患者さんを担当していると、「なぜこの動きで痛みが出るのか?」「なぜこの触診位置で反応が違うのか?」と、解剖学的な“なぜ”に直面することが多いと思います。学生時代に学んだ解剖学は、骨や筋の名称を暗記するだけで終わってしまいがちですが、実際のリハビリ現場では“動きの中での構造理解”が求められます。そんな時に出会ったのが、工藤慎太郎先生による『運動器疾患の「なぜ?」がわかる臨床解剖学 第2版』です。徒手療法を臨床で使いこなしたい方、または解剖学を「使える知識」として再構築したい方にとって、まさに実践解剖学の決定版といえる一冊です。
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1日3分自触習慣!触診ドリル 下肢・体幹編 ― 「触る力」を鍛える最短ルート

臨床で患者さんの筋や骨、靱帯を正確に触り分けることは、リハビリの質を左右します。しかし、「触診に自信がない」「構造のイメージは頭にあるけど、指先で実感できない」という声は、理学療法士・作業療法士のあいだで今も多く聞かれます。そんな悩みに応えるように登場したのが、『1日3分自触習慣!触診ドリル 下肢・体幹編』ですタイトル通り、1日3分、自分の体を“教材”にして触診技術を磨くというまったく新しいアプローチ。触診を「暗記」ではなく「体得」に変える、理学療法士必携の一冊です。
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肩関節拘縮を「構造」から理解する ― 『肩関節拘縮の評価と運動療法 改訂版』で学ぶ臨床の再現性

肩関節のリハビリで、つい「とりあえずマッサージ」「とりあえず筋トレ」で対応していませんか?一見シンプルに見える肩関節拘縮も、その背後には複雑な関節構造・筋連鎖・神経制御が絡み合っています。本書『肩関節拘縮の評価と運動療法 改訂版』は、そんな“曖昧な肩の評価”を明確化し、臨床における思考の整理と再現性のあるアプローチを可能にしてくれる一冊です。リニューアルにより、全イラスト・写真を刷新し、さらに著者による実技映像59本をQRコードで視聴可能。紙と動画のハイブリッド学習で、動きを「目で見て学べる」構成になっています。
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「動作分析」は臨床の核になる――バイオメカニクスで“動作を変える力”を磨く一冊

「動作を分析する、そして動作を変える」これは、リハビリテーションが他の医療職と一線を画す専門性だと思います。整形外科の分野では、歩行の関節肢位や角度を話題にします。脳血管障害分野では「荷重」や「随意性」といった神経学的な視点から動作を分析します。生活期の現場では、動作を「環境」や「生活行為」と強く結びつけて語ることが多いでしょう。それぞれの分野で焦点が異なることは当然ですが、「動作」をバイオメカニクスとして説明できる理学療法士・作業療法士は、実はそう多くありません。臨床現場では、経験則や感覚的な言葉で動作を語る場面が少なくないのです。だからこそ、「動作がどのような成り立ちで行われているのか」を体系的に理解し、各分野の特徴と結びつけて考えることが重要です。本書『動作分析 臨床活用講座―バイオメカニクスに基づく臨床推論の実践』は、まさにその基盤を整えるための一冊です。リハビリ専門職として“動作を科学する”力を磨きたい方にとって、欠かせない実践書と言えるでしょう。
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1日3分で変わる触診スキル!『自触習慣 触診ドリル 上肢・頚部編』で“わかる”から“触れる”セラピストへ

現場で働いていると、患者さんと話しているうちに、必ず解剖学の話になります。しかし実際には、「触り方がわからない」「そもそもどこを触っているのか不明」「この辺をマッサージしている」といった、あいまいな治療を目にすることが少なくありません。臨床現場では、「筋を理解しているつもり」でも、実際に自分の手でその構造を正確に触れられるかというと、ギャップが生まれがちです。そんなときに出会ったのが、浅野昭裕先生による『1日3分自触習慣!触診ドリル 上肢・頚部編』でした。「自分の身体を教材にする」という発想で、触診技術を“再学習”できる一冊です。
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成田崇矢の臨床『腰痛』|「非特異的腰痛」を機能から読み解く、新たな臨床の視点

腰痛のリハビリテーションは、理学療法士や作業療法士にとって永遠のテーマとも言えるでしょう。椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、圧迫骨折――。診断名が明確なものもあれば、「原因が特定できない腰痛」も多く存在します。特に、いわゆる非特異的腰痛(腰痛全体の約85%)に対して、どこからアプローチすべきか悩む場面は少なくありません。そんな臨床家の葛藤に、明確な道筋を示してくれるのが成田崇矢先生の『臨床 腰痛』です。
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【敵を知れば、技は自ずと決まる】『林典雄の運動器疾患の機能解剖学に基づく評価と解釈 下肢編』で学ぶ「病態を見抜く力」とは

林典雄先生による『運動器疾患の機能解剖学に基づく評価と解釈 下肢編』は、「どのように治すか」ではなく「どこを、なぜ治すのか」という臨床判断の根幹を徹底的に解説した一冊です。下肢の主要関節(股関節・膝関節・足関節)を中心に、機能解剖学をベースとした評価法とその解釈が丁寧に説明されています。以下に本書の主な目次構成を簡単に紹介します。
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「技」よりも「解釈」を。機能解剖が臨床を変える一冊 ― 『運動器疾患の機能解剖学に基づく評価と解釈 上肢編』

理学療法士や作業療法士が運動器疾患に対して治療を考えるとき、多くの場合「どんな治療法を使うか?」という手段の選択に意識が向きます。どのように治すか」ではなく、「何を、どこを治すのか」。しかし、林典雄氏の『運動器疾患の機能解剖学に基づく評価と解釈 上肢編』は、その前に問うべき本質を突きつけます。
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「園部俊晴の臨床『膝関節』」 膝痛を“変形だけ”に還元しない、臨床セラピスト必携の一冊

膝の痛みを訴える患者さん。ふと、こんな問いを自分自身に投げかけたことはないでしょうか。「この痛みは変形性膝関節症だから仕方ない」「画像に変形があるから、この人の痛みはそれが原因に違いない」。しかし、理学療法士・作業療法士として日々臨床に立つあなたなら、痛みの背景はもっと多様で、「変形=痛み」の単純な図式では説明しきれないと感じたことがあるはずです。「園部俊晴の臨床『膝関節』」では、まさにその“定型化された思考”から抜け出し、膝関節痛を「どの組織が痛んでいるか」「力学(メカニカルストレス)はどうか」という二軸で考えるための臨床ガイドが提示されています。理学療法・作業療法の現場で「膝痛=変形」の“即断”に陥ってしまっているなら、本書が提供する「仮説を立てる」「検証する」プロセスこそが、あなたの臨床力を飛躍させる鍵になるでしょう。