こんな悩みありませんか?
インソールは足の形に合わせて作ればいい——そう思っていませんか?
実はその考え方だけでは、患者さんの動きは変わりません。
「合っているはずなのに効果が出ない」
「歩行が変わらない」
そんな経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。
インソールは“形を合わせるもの”ではなく、“動きを変えるための道具”です。
本書は、その本質に気づかせてくれる一冊です。
書籍の基本情報
書名:入谷式足底板 ~基礎編~
著者:入谷誠
出版社:運動と医学の出版社
シリーズ:運動と医学の出版社の臨床家シリーズ
発行年月日:2011年9月1日
定価:5,500円(税込)
判型:B5変
頁数:152頁
ISBN:9784904862025
付属:DVDビデオディスク1枚
電子版情報:確認できる範囲では未確認
書籍の概要と特徴
本書の最大の特徴は、「足底板=足の補正具」という一般的な認識を覆し、「足底板=運動を変える介入手段」として再定義している点にあります。
単にアーチを支える、荷重を分散するという視点にとどまらず、歩行や姿勢といった“動きの中でどう機能するか”を重視しています。
つまり、足底板は静的な適合ではなく、動的な変化を生み出すためのツールとして扱われます。
この考え方は、臨床において非常に大きな転換点になります。
目次と各章の内容
第1章 入谷式足底板の概要
入谷式足底板の基本的な考え方を提示する章です。
単なる支持ではなく、「誘導」という概念を軸に、足底板がどのように身体全体へ影響するかを解説しています。
臨床において“なぜそれを入れるのか”という目的思考が強調されている点が印象的です。
第2章 足の機能解剖
足部の構造を機能的に理解するための章です。
骨や関節、筋の解剖学的知識を、実際の動きや荷重との関係で整理しています。単
なる暗記ではなく、「評価と介入につながる解剖」が学べる構成です。
第3章 歩行の概要
歩行中の足部の役割をフェーズごとに解説しています。
接地から蹴り出しまでの連続した動きの中で、足部がどのように機能し、どのような異常が生じるのかを理解できます。
歩行分析の視点を持つうえで非常に重要な章です。
第4章 足底板作製のための直接的評価
ここが本書の核となる部分です。
実際に足底板を作製する前に、どのような評価を行うべきかが具体的に示されています。
誘導による変化の確認や、反応の見極め方など、「結果を出すための評価」が丁寧に解説されています。
第5章入谷式足底板の実際
実際の作製手順を解説する章です。
マーキングや削り出しなどの技術的な部分に加え、「なぜその加工を行うのか」という臨床的意図が明確に示されています。
DVDと併用することで理解がさらに深まります。
読んで得られること
この本を読むことで得られる最大の学びは、「インソールは形ではなく戦略である」という視点です。
- 評価に基づいて介入する思考
- 足部から全身を変える視点
- 歩行を改善するための具体的アプローチ
これらはすべて、日々の臨床で即実践できる内容です。
単なる知識ではなく、「考え方」が身につく一冊です。
どんな人におすすめか
- インソールを作っているが効果に自信が持てない方
- 足部評価が苦手な理学療法士・作業療法士
- 歩行分析を臨床に活かしたい方
- 整形外科・スポーツ領域に関わるセラピスト
特に、「なんとなく作っている状態」から抜け出したい方には強くおすすめできます。
実際に読んだ感想・臨床での活かし方
正直に言うと、この本を読む前は「インソール=フィッティング」と考えていました。
しかし本書を読んでからは、その認識が大きく変わりました。
インソールは“合わせるもの”ではなく、“変えるもの”。
例えば、歩行時の荷重のかかり方や、膝の動き、さらには体幹の安定性まで、足底からの介入で変化させることができると理解できました。
臨床では、まず評価で「どこをどう変えたいのか」を明確にし、その目的に応じて足底板を設計するようになりました。
その結果、患者さんの歩行変化が明らかに出やすくなったと実感しています。
「とりあえず作る」から「狙って変える」へ。
この変化は非常に大きいです。
まとめ
インソールは、ただ単に足の型に合わせればいい——
そう思っているうちは、臨床での効果は限定的です。
本書は、その考えを根本から覆し、「動きを変えるための足底板」という新しい視点を与えてくれます。
足部から全身を変える。
その第一歩として、この一冊は非常に価値のある教材です。
インソールに対する考え方をアップデートしたい方は、ぜひ手に取ってみてください。

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