リハビリ書籍 膝関節拘縮を正しく理解し、確実に改善へ導く一冊──『膝関節拘縮の評価と運動療法 改訂版』を読んで感じた臨床の核心
「膝が硬い」と患者さんが訴えると、つい「ではROM-ex(関節可動域訓練)やストレッチをしましょう」と反射的に進めていませんか?私自身も新人の頃、膝関節拘縮と聞くと「伸びないなら伸ばす」「曲がらないなら曲げる」と、単調なROM練習に終始していました。ですが、なかなか改善しない現実に何度も直面しました。膝関節拘縮は単なる「動かない関節」ではありません。拘縮の背景には、関節包、靭帯、筋、皮膚、さらには疼痛や神経の影響まで複雑に絡み合っています。そのメカニズムを理解せずにリハビリを進めても、患者さんにとって効果的な介入にはなりにくいのです。そんな時に出会ったのが、『膝関節拘縮の評価と運動療法 改訂版』。この一冊が、私の「膝をどう見るか」という視点を大きく変えてくれました。