「ただ巻く」から卒業する。皮膚運動学を臨床に活かす『皮膚テーピング ~皮膚運動学の臨床応用~』

リハビリ書籍

こんな悩みありませんか?

テーピングを行う際、

「とりあえず固定する」

「痛みがある場所に貼る」

といった感覚的なアプローチになっていませんか?

臨床でテーピングを使う機会は多いものの、

なぜこの方向に貼るのか

なぜ症状が変化するのか

を深く説明できるセラピストは意外と少ない印象があります。

私自身も以前は、テーピングを“巻く技術”として捉えていました。

しかし本書を読んでからは、「皮膚がどう滑走し、どの方向へ誘導されるべきか」という皮膚運動学の視点を持つようになり、評価と介入の質が大きく変わりました。

皮膚テーピング ~皮膚運動学の臨床応用~』は、単なるテーピング手技の本ではありません。

皮膚の動きと身体機能を結びつけて考える、新しい臨床視点を与えてくれる一冊です。


書籍の基本情報

書籍名:皮膚テーピング ~皮膚運動学の臨床応用~

著者:福井 勉

出版社:運動と医学の出版社

発行年:2014年6月10日

価格:5,500円(税込)

ISBN:9784904862094

判型:B5変形

ページ数:204頁

シリーズ:運動と医学の出版社 臨床家シリーズ

電子版:なし


書籍の概要と特徴

本書の最大の特徴は、「皮膚」に焦点を当てている点です。

一般的なテーピング書籍では、筋肉や関節、靱帯へのアプローチが中心になります。

しかし本書では、“皮膚そのものが感覚入力や運動制御に大きな影響を与える”という視点から解説が進みます。

特に印象的なのは、「皮膚の滑走方向を変えることで疼痛や運動が変化する」という考え方です。

つまり、テーピングは固定ではなく、“皮膚運動を誘導するための手段”として使われています。

そのため、ただ貼るだけでは効果が出にくく、「どの方向へ皮膚を誘導するのか」を評価する重要性が繰り返し述べられています。

臨床でテーピングを使用している理学療法士・作業療法士にとって、「なぜ効くのか」を説明できる知識が身につく内容です。


目次と各章の内容

第Ⅰ部 皮膚テーピングの理論

本章では、皮膚運動学の基礎理論が解説されています。

皮膚は単なる“外側の組織”ではなく、筋膜・筋・関節運動と連動しながら身体機能に関与していることが説明されます。

特に、皮膚の滑走不全が疼痛や可動域制限に関連するという視点は、普段の評価を見直すきっかけになります。

なぜその方向に貼るのか」を理解するための土台となる重要な章です。

第Ⅱ部 皮膚テーピングの実際

ここでは、実際のテーピング方法が豊富な写真付きで解説されています。

肩関節・膝関節・体幹など、臨床で遭遇しやすい部位へのアプローチが具体的に紹介されており、すぐに実践へ落とし込める内容です。

特に参考になったのは、「症状が変化する皮膚方向を先に評価してから貼付する」という考え方です。

“まず貼る”ではなく、“まず評価する”という流れは、臨床推論を深めるうえで非常に重要だと感じました。

第Ⅲ部 疾患別テーピング

変形性膝関節症、肩関節周囲炎、腰痛など、疾患別の応用方法が紹介されています。

単なる手技紹介ではなく、「なぜこの疾患でこの方向に誘導するのか」という理由まで説明されているため、応用力が身につきやすい構成です。

疾患名だけで貼り方を覚えるのではなく、皮膚運動学をベースに考える習慣が身につきます。


読んで得られること

この本を読むことで得られる最大のメリットは、「テーピングを理論的に説明できるようになること」です。

臨床では、患者さんから「なぜこれで楽になるのですか?」と聞かれることがあります。

その際に、「経験的に効くから」ではなく、

  • 皮膚滑走の改善
  • 感覚入力の変化
  • 運動誘導
  • 疼痛抑制

といった視点で説明できるようになります。

また、評価→介入→再評価の流れが自然と整理されるため、若手セラピストにも非常におすすめです。


どんな人におすすめか

  • テーピングを感覚的に行っている方
  • 運動器リハビリに関わる理学療法士・作業療法士
  • 疼痛アプローチの引き出しを増やしたい方
  • 皮膚や筋膜への介入に興味がある方
  • 徒手療法とテーピングを組み合わせたい方
  • 「なぜ効くのか」を説明できるようになりたい方

特に、「テーピングを、ただ巻くだけではなく、皮膚の運動学を考慮して巻くことを意識していますか?」という問いにドキッとした方には、ぜひ読んでほしい一冊です。


実際に読んだ感想・臨床での活かし方

この本を読んで最も変わったのは、“皮膚を見る視点”です。

以前は関節可動域や筋力ばかりに注目していましたが、今では「どの方向に皮膚が動きにくいか」を自然と確認するようになりました。

実際、肩関節挙上時痛の患者さんで皮膚滑走を調整すると、即時的に痛みが軽減するケースもあり、評価の重要性を強く実感しています。

また、強く固定しなくても症状が変化する経験をすると、「テーピング=固定」という考え方が大きく変わります

臨床で“なんとなく貼る”から卒業したいセラピストにとって、多くの気づきを与えてくれる内容でした。


まとめ

皮膚テーピング ~皮膚運動学の臨床応用~』は、単なるテーピング本ではありません。

皮膚という組織を通して、運動・疼痛・感覚入力を再考するための臨床書です。

特に、

テーピングを、ただ巻くだけではなく、皮膚の運動学を考慮して巻くことを意識していますか?

という視点は、日々の臨床を大きく変えるきっかけになるはずです。

テーピングを“作業”ではなく、“評価と治療の一部”として使いたい方に、ぜひおすすめしたい一冊です。

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